YouTubeで筋トレ動画を見たり、トレーナー指導を受けたりした時、こんなことを言われたりしませんか?
「腹圧をかけて!」
こんな時、あなたはどうしますか?「フンッ」とおなかに力を入れて、呼吸を止めていませんか?残念ながらそれは、間違いです。
実際、私のクライアント様も最初から、「腹圧をかけて」と言ってもすぐに理解して、実践できる人はいないんです。
実は、ジムに通い始めた初心者の9割以上が、この「腹圧」の意味を勘違いしています。
そして、その勘違いのせいで「腰を痛める」リスクを負いながら、「本来持ち上がるはずの重量」が上がらず、損しているのです。
結論から言うと、「腹圧」とは、おなかを凹ませて力を入れたり、無駄に力んだりするものではなく、「お腹を○○すること」なのです。
本記事では、実際に私が現場で初心者のクライアント様に教えている、「腹圧のコツ」を解説していきます。このコツをお伝えするだけで、ほとんどのクライアント様が「腹圧」を理解し、実践することが出来ています。
「そろそろ初心者枠を卒業したい」 そう思っているなら、
ぜひこのまま読み進めて、一生モノの「呼吸の技術」を手に入れてください。
そもそも「腹圧」ってなに?なぜ必要なの?
そもそも「腹圧」ってなんだかわかりますか?
腹圧とは簡単に言うと、腹部周辺のインナーマッスルを上手く使い、お腹の内側から外側に圧力をかけることです。
この腹圧がうまく使えるだけで、
- 姿勢の安定
- 腰痛予防
- 怪我予防
- より高重量を扱える
このような様々なメリットが生まれます。
「お腹に力を入れる」と「腹圧」の決定的な違い
先述したように、「腹圧をかけて!」とお伝えすると、フンッと「お腹に力を入れる」方がほとんどです。
しかし、「お腹に力を入れる」と「腹圧」には大きな違いがあります。
腹直筋という筋肉があります。俗に言われる、「シックスパック」の筋肉です。この腹直筋だけに力を入れるのが、「お腹に力を入れる」ということです。
一方、「腹圧」とは腹直筋だけでなく、腹筋周辺の筋肉(横隔膜、腹横筋、骨盤底筋群など)を上手く使い、お腹を内側から外側に向けて膨らませることを言います。
自分のお腹を風船に例えてみましょう。息を吸う(風船に空気を吹き込む)とき、お腹の中から外へパンパンに張る力(風船が膨らむ)が腹圧です。

腹圧が高まると「重いものが挙がる」理由
上手に腹圧を高めることができると、体幹が安定します。
体幹が安定することで、手足に力が100%伝えられるようになり、より重い重さが挙がるようになるのです。
私がよくクライアント様にお伝えしてる例を挙げます。
豆腐の上でジャンプするのと、コンクリートの上でジャンプするのでは、どちらが高くジャンプできますか?
もちろんコンクリートですよね。
- 豆腐の上でジャンプ=腹圧が使えていない
- コンクリートの上でジャンプ=腹圧が使えている
これほどの差が生まれるのです。

腹圧を使って体幹をコンクリートのように固めれば、今まで挙がらなかった重さも挙がるようになります。
「じゃあ、具体的にどれくらいの重さに設定すればいいの?」と迷った時は、プロが教える「重量設定の公式」を以下の記事で確認してみてください。
今日からできる!正しい「腹圧(ブレーシング)」のやり方
ブレーシングとは、腹圧を高めるためのトレーニングです。
ステップごとに解説していくので、見ながら実際に行ってみましょう。
ステップ1:仰向けになり、息を吸って「お腹を360度」膨らませる
まずは仰向けに寝転がります。鼻から息をゆっくり吸っていきましょう。
お腹の中に、空気が入っていくのを感じながら、お腹を前だけでなく横腹や背中方向にも膨らましていきましょう。
脇腹に手を当てて、呼吸で手が押し返されるか確認してみましょう。

ステップ2:膨らませたまま「お腹を固める」
ここが一番重要です。
お腹を固める際、息を止めるのではなく、膨らんだ風船の外側から圧をかける感覚が大切です。
「お腹をパンチされる瞬間の防御」をイメージしてみましょう。

ステップ3:おなかを膨らませたまま呼吸をする
お腹に空気を含ませた状態で呼吸を繰り返します。
仰向けに寝転がった状態で、この動きに慣れてきたら、ブレーシングしながら筋トレを実践してみましょう。

種目で実践!効果を最大化する呼吸のタイミング
ブレーシング試してみましたか?意外と難しいですよね。呼吸を止めないのがポイントです。
それでは、種目で実践するためのポイントを解説していきます。
基本ルールは「力を入れる時に吐く」
まずは、息を吐くタイミングを見ていきましょう。息を吐くタイミングは、筋トレにおいて「力を入れるとき」です。
「力を入れるときってどんな時?」このように感じたのではないでしょうか?
言い方を変えると、狙っている筋肉が収縮するタイミングです。
いくつかの種目で解説していきます。
【スクワット】
狙っている筋肉:もも前(大腿四頭筋)・お尻(大殿筋)
狙っている筋肉が収縮するタイミング:立ち上がる時
息を吸うタイミング:しゃがむ前に吸って「腹圧ON」
息を吐くタイミング:立ち上がりながら吐く
※スクワットでしゃがむ時、この腹圧が抜けてしまうと腰を痛める大きな原因になります。「すでに腰に違和感がある…」という方は、呼吸以外にもフォームに原因が隠れている可能性が高いです。怪我をする前にこちらの記事も必ずチェックしてくださいね。

【ベンチプレス】
狙っている筋肉:胸(大胸筋)
狙っている筋肉が収縮するタイミング:バーベルを上げる時
息を吸うタイミング:下げる前に吸って「腹圧ON」
息を吐くタイミング:バーベルを上げながら吐く
初心者がやりがちなNG呼吸例
実際に現場でも多く見られる呼吸の間違いを紹介していきます。
- 呼吸のタイミングが逆になっている
- 呼吸を止めてしまう
この二つが非常に多いです。呼吸が止まってしまうと、脳内の酸素濃度が薄くなってしまい、「酸欠」の症状を引き起こしてしまうので注意しましょう。
トレーニングフォームと呼吸を同時に意識するのは、とても難しいことです。最初から完璧にできる人はいないので安心してください。
最初は焦らず、軽い重さで呼吸とフォームを意識しながらトレーニングを行いましょう。
「そもそも、正しいフォームができているか自信がない…」という方は、怪我を防ぎ、最短で筋肉をつけるための「3つの判断基準」をこちらで解説しています。
腹圧をサポートするアイテム「トレーニングベルト」は必要?
ジムに行くと、ごっついベルトを巻いて、スクワットを行っているマッチョをよく目にすると思います。
このトレーニングベルトは、「腹圧を感じやすくするための補助役」だと思ってください。では、トレーニングベルトはあなたに必要なのでしょうか?
初心者はまず「自力」で感覚を掴もう
結論として、初心者の場合、ベルト無しで「自力」でトレーニングしましょう。
「トレーニングベルト=強化版コルセット」だと思ってください。
コルセットって、腰痛の時につけますよね?コルセットを付けると、受動的に腹圧を高めてくれるので、腰痛が緩和します。
最初からトレーニングベルトを使用してしまうと、「自力で腹圧を使う感覚を覚えずに、腹圧が使えてしまう」といった現象が起きてしまうのです。
まずは、自前のコルセット(腹部のインナーマッスル)をしっかりと育てていきましょう。
重量が伸びてきたらベルトも検討しよう
先述したように、トレーニングベルトは「腹圧を感じやすくする」ための補助輪です。
腹圧の使い方をマスターした後にベルトを使用すると、さらに重量を伸ばすことができます。トレーニングのパフォーマンスを上げる最高のパートナーになってくれるでしょう。
「じゃあ、最初は何を買えばいいの?」と迷う方へ。私がプロ目線で自信を持っておすすめできるのは、以下の2つだけです。
👑 予算があるなら絶対にコレ!
「ゴールドジムのトレーニングベルト」
メリット
- 圧倒的なホールド力で高重量でもブレない
- 本革仕様で耐久性が最強(私自身12年愛用中)
- 使えば使うほど自分の体に馴染んでくる
デメリット
- 価格が高い(6千円前後)
- 最初は革が硬く、肋骨に当たると痛いことも
- ピン式なので着脱に少し手間がかかる
💡 まずは手軽に試したい方向け!
「ALL OUT トレーニングベルト」
メリット
- とにかく安くて圧倒的なコスパ
- マジックテープ式で着脱・サイズ調整が1秒
- 柔らかい素材なので体に食い込んでも痛くない
デメリット
- マジックテープのため超高重量での固定力に欠ける
- 数年使うとマジックテープの粘着力が落ちる
- ホールド感は本革に劣る
ちなみに、家トレで重量を伸ばしていくなら、ベルトを含めた「自宅用の器具選び」も非常に重要になってきます。
無駄なものを買ってお金を損したくない方は、私が現場目線で厳選したこちらの記事も参考にしてみてください。
まとめ:腹圧をマスターして「脱・初心者」しよう!
腹圧の仕組みから使い方まで、理解できたでしょうか?
「腹圧」とは、「お腹を膨らませて固定する」ことなのです。
腹圧という言葉ではしっくりこなくても、風船に例えると分かりやすいと思います。今後も「腹圧ってなんだっけ?」となったときは、風船の例えを思い出してみましょう。
今日からのトレーニングで意識するだけで、いつも扱っている重さが軽く感じるはずです。
もし今、ジムにいるなら、早速腹圧を意識してみましょう。もし家にいるなら、今すぐ横になってブレーシングの練習ですよ。
「一生モノの呼吸の技術」を手に入れたあなたなら、もう初心者は卒業です。
次はこのまま、筋トレの効果を最大化し、怪我を完全に防ぐための『正しいフォームとケアの教科書』へと進んでください。あなたのボディメイクがさらに加速しますよ。


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